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院長あいさつ

 
 令和6年4月1日より佐久市立国保浅間総合病院事業管理者・病院長を拝命した青木敬宏です。
 当院は昭和34年に旧北佐久郡浅間町を中心とした10町村の組合立病院として、国民健康保険基金から財政支援を受け5診療科20床で開院いたしました。以来、公立病院として64年間、佐久の地域医療を守って参りました。令和6年4月現在22診療科、医師数67名、一般病床・地域包括ケア病床238床のケアミックス型の病院として佐久地域の二次医療機関の中核に成長し、年間20万人の外来患者、7万人の延べ入院患者、2,000台の救急車を受け入れています。また、当院は国保直診病院として「適正な保険診療」と「予防活動」の実践という二足のわらじを履いて、地域の健康長寿の増進に貢献して参りました。今後も大学・研究機関と連携した公衆衛生活動、健康診断事業、住民向け講演会、更には国保地域医療学会活動を重要な業務と位置付けて展開して参ります。
 浅間総合病院では草創期の昭和37年には県内初の開頭術を、昭和38年には県内初の開心術を成功させた歴史があります。また、糖尿病が専門の初代吉沢國雄院長は、現在では当たり前に行われているインスリンの自己注射を保険適用させるために奔走して、「長野方式」という処方・検査・連絡・自己注射方式を編み出し、これを粘り強く医師会・国に求め、昭和56年に保険適用が認められました。こうした先取の精神は現在も当院に脈々と受け継がれています。糖尿病センターでは糖尿病患者の全身管理を体系的に行いながら、多くの新薬の治験に参加し、リブレなど最近の血糖モニタリングシステムもいち早く導入しました。また、多くの糖尿病専門医、糖尿病療養指導士を育成し、現場で活躍しています。
 整形外科では患者さんの負担の軽い鏡視下手術や変形性膝関節症への再生医療の導入により良い成績をだしています。令和4年から5年度にかけては、最新の血管造影装置を導入し、循環器内科では冠動脈、下肢動脈など、脳神経外科では頭頸部から頭蓋内の疾患に対して、低侵襲な血管内カテーテル治療を積極的に行っております。
 人材育成では、平成16年の新医師臨床研修制度の開始以来、約90名の医師研修医を全国に送り出してきました。平成17年からは歯科医師臨床研修も開始し、訪問歯科、障がい者歯科診療など地域に根ざした歯科研修を実施しております。
 現在の日本の最大の問題は少子化であると考えています。2023年の出生数は前年比5.1%減の75万8631人であったと発表されています。8年連続で減少し、過去最少であり、人口の減少幅は初めて80万人を超え、2070年には日本の総人口は9千万人を割り込む予測となっています。少子化自体は、ライフスタイルの変化や物価の上昇、収入が上がらないといった問題が主因ではあると考えますが、産婦人科・小児科医療の不足により加速することはあってはいけません。こうした中、当院ではマンパワーが充分な小児・産婦人科を軸とした子育て支援病院としての機能強化に力を入れており、「コウノトリ外来」では、顕微授精や不育症治療などを保険診療で行っております。
 地域の急性期病院、地域医療を支える病院としての役割を果たすために、より親密な病院連携・病診連携を構築する必要があります。そのため、病院や開業諸先生方との連携をより一層深めて参りたいと考えております。
 これからも「患者さん中心の、患者さんのための、良質な医療の実践」を基本理念に、地域の皆様から信頼される病院、社会に貢献できる病院を目指し、職員一丸となって尽力して参ります。
 
令和6年4月1日
佐久市立国保浅間総合病院事業管理者・病院長
青木 敬宏