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コウノトリ外来

当院のコウノトリ外来について

コウノトリ外来について
 結婚をして妊娠・出産するまでに時間がかかり、私達は不妊ではないかと思っているカップルが晩婚化に伴い増加している近年。
 当院では一人でも多くの方にお子様を持つ喜びを共有したいと考えております。
そのためには、
1.通院回数が少なく通院の負担を軽減すること
2.金銭的負担の少ない治療から徐々にステップアップをすること
3.不必要な検査・処置は行わないこと 等を重点に、できる限り保険診療で、自費の診療も料金がかからないように診療を行っております。
 また、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮内ポリープ等の疾患が妊娠の妨げになっていると判断した場合は、腹腔鏡手術・子宮鏡手術などの手術療法を含めた不妊治療が可能です。
一般不妊・体外受精・手術療法・妊娠・出産と一連の流れを当院で安心して受けていただけます。
緊急時は365日24時間、電話連絡と診察が可能な体制も構築しております。 
また、上田・小諸・軽井沢・佐久穂町・小海町・吾妻郡等地域の協力病院で排卵誘発剤の注射が可能な為、遠方の患者様の負担を少しでも減らせるよう配慮させていただいております。

これまでの実績

コウノトリ外来の2022年治療実績につきましてはこちら
コウノトリ外来の2021年治療実績につきましてはこちら
コウノトリ外来の2018~2020年治療実績につきましてはこちら

コウノトリ外来での不妊治療の流れ

(1)初診・不妊治療カウンセリング
   不妊治療の流れの説明・問診による不妊の原因の検索(前医での検査結果の確認 含む)
   不妊初期検査(血液検査・超音波検査・精液検査 等)
   最初に行う治療の決定・必要な薬剤の処方
   必要な追加検査(卵管造影検査 等)の予約 
(2)不妊初期検査で明らかな異常を認めた場合は、その部分の治療を優先
  (例)・粘膜下子宮筋腫→MRIで精査・子宮鏡検査・切除
     ・排卵障害→排卵誘発剤投与 
     ・精液検査結果が不良→薬物療法・泌尿器科への紹介・人工授精
(3)明らかな異常なし、もしくは軽度の異常を認めた場合
   →自然周期・排卵誘発周期でのタイミング法
    他院での不妊治療で妊娠されなかった場合
   →他院で行っていた治療より妊娠率が高い治療から開始
  (例)自然周期→排卵誘発周期、タイミング法→人工授精、人工授精→体外受精
   いずれの方法でも3-5回で妊娠できない場合はステップアップを検討します。

一般的な不妊治療の流れ(日本生殖医学会ホームページより抜粋)

不妊治療の流れ
不妊治療の流れ(日本生殖医学会ホームページより抜粋)

コウノトリ外来で行っている不妊検査・治療

不妊治療1
1 不妊検査(保険診療)
・血液検査
(AMH・LH・FSH・エストロゲン・プロゲステロン・甲状腺ホルモン
・プロラクチン・血糖・クラミジア検査・抗セントロメア抗体 等)
・経腟超音波(sonohysterography含む)
・卵管造影検査
・フーナーテスト・精液検査
・腹腔鏡検査
・MRI検査
・抗精子抗体(自費)
・Endome Trio(ERA+EMMA+ALICE)(自費)
・ERA (自費)
・EMMA+ALICE (自費)
(ERA検査に伴うホルモン補充療法は別途自費での算定となります)
 
卵管造影検査 (正常例)
卵管造影検査 (正常例)
卵管造影検査 (単頸双角子宮)
卵管造影検査 (単頸双角子宮)
 
MRI検査(子宮筋腫+卵管閉塞)
MRI検査(子宮筋腫+卵管閉塞)
 
2 一般不妊治療(保険診療)
・タイミング法 自然周期、クロミッド周期、レトロゾール周期、
 クロミッドHMG周期FSH・HMG周期、pureFSH自己注射
・人工授精法  上記排卵誘発法に併せて施行しております。
 
3 体外受精(保険診療)
・排卵誘発法:Short法、Long法、PPOS法、クロミッドHMG周期
・クロミッド周期・自然周期・エストラーナ周期
・採卵方法:手術室において静脈麻酔もしくは無麻酔で採卵を行ってます。
・受精方法:従来法、顕微授精、従来法と顕微授精の併用(split法)
・移植方法:新鮮胚移植(初期胚・胚盤胞)、凍結胚移植(初期胚・胚盤胞)
・凍結胚について:凍結胚は出産可能な年齢まで凍結管理を更新できます。
 凍結後3年間は保険診療での預かり、以降は自費診療となり、年間2万円で延長することができます。
 
4 手術療法(保険診療)
・腹腔鏡手術:子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣嚢腫
・子宮鏡手術:粘膜下子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮中隔
・開腹術:重度の子宮内膜症・子宮筋腫 
子宮鏡手術(子宮鏡下粘膜下筋腫切除の様子)
子宮鏡手術(子宮鏡下粘膜下筋腫切除の様子)
5 PFC-FD療法(自費診療)
(採血・移植・超音波も含む)

コウノトリ外来で行っている不育症検査・治療

不妊治療2
1 不育症検査(保険診療) 
・子宮形態検査
・血栓性素因スクリーニング(凝固因子検査)、
 内分泌検査、抗リン脂質抗体
 ・夫婦染色体検査
・流産組織染色体検査(自費診療)
 
2 不育症の治療(保険診療)
・抗凝固療法(アスピリン・ヘパリン療法)、ステロイド療法、漢方療法
・子宮鏡手術:子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮奇形
・開腹術:重度の子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫・子宮奇形
 
※長野県・佐久市では、不育症と診断を受けた夫婦に対し、不育症の診断に係る検査及び治療に要する費用の一部を助成しています。
詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。

当院の体外受精の考え方

 基本的には一般不妊治療(人工授精も含む)で妊娠出来なかった患者様のみ対象としております。

 当院では、来院された患者様の約半数が一般不妊治療で妊娠されています。

 そのうち半数の方が、他院での不妊治療で妊娠されなかった方です。

 両側卵管閉塞・高度な男性不妊・極端な卵巣機能低下、他院での体外受精の不成功など、一般不妊治療では妊娠が厳しい患者様は最初から体外受精・顕微授精の適応としております。

 患者様の体質にあった排卵誘発法で、できるだけ多くの卵子を採卵できるよう考えております。

 得られた受精卵の数が多ければ、妊娠に結びつく受精卵の可能性が高くなります。

 ERAPFC-FD等の自費治療以外は、すべて保険診療になります。

 ご自身及び配偶者の収入にもよりますが、定額以上の医療費は高額療養費制度の対象になります。

 当院には相談窓口もございますので、ぜひお尋ね下さい。

 また、当院では可能な方はできるだけ多くの受精卵ができるよう、注射で卵巣を積極的に刺激して卵胞数を増やす排卵誘発(高刺激法)を標準としております

 一度の採卵でたくさんの卵子をとることができるので、1回あたりの採卵での妊娠率は低刺激法よりも高くなります。

 ただ、卵巣機能の低下が強い場合はかえって卵が育たず、採卵できない場合もあります。

 また、高刺激法で排卵誘発を行うと卵胞数が多くなりすぎて、重篤な卵巣過剰刺激症候群の可能性が高くなる患者様もいらっしゃいます。

 そういった場合は低刺激法や自然周期での採卵を目指すようにしています。

当院の体外受精で行っている排卵誘発法

高刺激法:Short法・Long法・アンタゴニスト法・PPOS法

低刺激法:クロミフェン・クロミフェンHMG・クロミフェンrFSH・レトロゾール・

     レトロゾールHMG・レトロゾールrFSH・カウフマン療法

高刺激法のメリット

  1. 1回の採卵で多くの卵子を回収できる可能性があるため、胚盤胞を複数作ることができ、移植のチャンスを複数回作れる場合が多い。胚盤胞が余って妊娠した場合、残りの胚盤胞を凍結して出産し、何年か経過した後、余った胚盤胞を再度移植することもできる。

  2. 複数の卵子が得られるため、顕微授精と一般の体外受精(ふりかけ法)を同時に行うことができ(split法)、どちらがより良いのか比較できる。

  3. 排卵誘発~採卵~凍結までの費用は高くなるが、高額療養費制度の対象になることがほとんどであるため、最終的な自己負担額は低刺激法とあまり変わらない可能性が高い。(ご自身及び配偶者の年収により自己負担額は変動。)

  4. Short法・Long法・PPOS法では2か月以上前から採卵スケジュールを決めることができ、そこから外れる事はほとんどない。採卵日・診察日があらかじめわかり、予定が立てやすい。

高刺激法のデメリット

  1. 患者様の体質にもよるが、卵巣過剰刺激症候群になる可能性が低刺激法にくらべると高い。月経が来ると症状は軽快するが、一時的に卵巣が腫大・腹水・胸水が出現して内服治療や入院加療が必要となる可能性がある。リスクが高い患者様は採卵後から発症予防の薬を内服していただく場合がある。また育った卵胞数が多すぎた場合、重篤な卵巣過剰刺激症候群の予防のため、採卵がキャンセルになる可能性がある。
  2. 高額療養費制度の対象になる可能性が高いが、排卵誘発~採卵~凍結の費用が低刺激法に比べ高い。また、使用薬剤にもよるが、通院日数が多くなる可能性もある。

低刺激法のメリット

  1. 卵巣機能がかなり低下している場合、高刺激法より採卵数が多くなる可能性がある。
  2. 排卵誘発にかかる費用が少ない。

  3. 採卵数が少ないので無麻酔採卵可能な場合が多い。(採卵は数分以内に終わると考えられる患者様が対象)採卵後、早く帰宅することが可能。

  4. 毎周期採卵のチャンスがあり、卵胞数が少ない場合、採卵を見送ることも可能。(高刺激法でも採卵を見送る場合がある。)

低刺激法のデメリット

  1. 卵胞発育の観察回数が増えることにより、来院回数が増える可能性がある。
  2. あらかじめ採卵日がわからない場合が多く、卵胞発育と採卵希望日があわない可能性がある。また、休日と採卵最適日が重なり採卵できない場合もある。

  3. 採卵の前に、自然排卵してしまう場合もある。

  4. 採卵数が高刺激法に比べ少なくなるので、胚盤胞ができず何度も採卵する可能性があり、結果的にはコストや体への負担が大きくなり、通院回数も増える可能性がある。

体外受精の排卵誘発法の決定

「どの排卵誘発法で採卵するか?」「どの薬剤をどの量で使用するか?」は、

AMHやLH・FSHなどのホルモン検査結果

・年齢

・これまでの一般不妊治療での卵胞発育

・当院への通院が容易であるか?ないか? 等の条件を検討し決定しています。


また、通院が困難な患者様は、主に自己注射を使用した排卵誘発にしています。

前医で体外受精・顕微授精の経験がある患者様は、その時のデータをお持ちください。

より適切な排卵誘発法を組み立てることが容易になります。


以下にAMHによる当院での排卵誘発法の目安を記します。

AMH<0.5・FSH>10:低刺激法・自然周期・カウフマン療法

AMH0.5~2:     Short法が第1選択・低刺激法

AMH2~6:      Long法・Short法・PPOS法

AMH>6:Long法・PPOS法・アンタゴニスト法・低刺激法

体外受精のスケジュール

体外受精のスケジュール

 体外受精カウンセリングもしくは体外受精教室を御夫婦で受けていただきます。

(現在はコロナ感染を考慮し、中止しております。)

 コウノトリ外来で

1.排卵誘発法・採卵の日程を決定

(低刺激法・自然周期では採卵日は流動的になります)

2.使用する薬剤の処方

3.次回診察日の予約 などを行います。 

・Long法

  1. 第1月経周期14日目から28日目までプラノバール内服

  2. 注射開始1週間前からブセレリン点鼻開始

  3. 第2月経周期2-4日目から排卵誘発剤注射開始(ゴナールF・フォリルモン)合計9日間

  4. 注射開始6日目・9日目に超音波で卵胞発育の確認

  5. 注射開始9日目(採卵2日前)の採卵36時間前にHCGもしくはオビドレル注射

  6. 注射開始11日目の午前に採卵(静脈麻酔もしくは無麻酔)

  7. 採卵5・6日目に胚盤胞凍結

  8. 採卵9日目に凍結できた胚盤胞の確認、卵巣腫大・腹水の有無の確認、

  9. 移植スケジュールの作成

・Short法

  1. 1月経周期14日目から28日目までプラノバール内服

  2. 月経開始とともにブセレリン点鼻開始

  3. 第2月経周期2-4日目から排卵誘発剤注射開始(HMGテイゾー・ゴナールF) 合計9日間

  4. 注射開始6日目・9日目に超音波で卵胞発育の確認

  5. 注射開始9日目(採卵2日前)の採卵36時間前にHCGもしくはオビドレル注射

  6. 注射開始11日目の午前に採卵(静脈麻酔もしくは無麻酔)

  7. 採卵5・6日目に胚盤胞凍結

  8. 採卵9日目に凍結できた胚盤胞の確認、卵巣腫大・腹水の有無の確認、

  9. 移植スケジュールの作成

・PPOS法

  1. 1月経周期14日目から28日目までプラノバール内服

  2. 第2月経周期2-4日目から排卵誘発剤注射開始(ゴナールF・フォリルモン)合計9日間

  3. 排卵誘発剤注射とともにデュファストン1日2回・1回1内服開始。

  4. 注射開始6日目・9日目に超音波で卵胞発育の確認

  5. 注射開始9日目(採卵2日前)の採卵36時間前にHCGもしくはオビドレル注射

  6. 注射開始11日目の午前に採卵(静脈麻酔もしくは無麻酔)

  7. 採卵5・6日目に胚盤胞凍結

  8. 採卵9日目に凍結できた胚盤胞の確認、卵巣腫大・腹水の有無の確認、

  9. 移植スケジュールの作成

当院の胚移植

基本的には凍結胚盤胞をホルモン補充周期で移植しております。

早ければ採卵周期の次の月経周期で移植となります。

医学的・社会的な要因により、採卵周期で移植する場合(新鮮胚移植)や自然周期で胚移植する場合もあります。

また、流産・化学的流産を繰り返している場合、習慣性流産の検査を先に行うこともあります。

胚移植のスケジュール(凍結胚盤胞)

  1. 月経開始からエストラーナテープ貼付開始

  2. 月経開始14日目前後に超音波で子宮内膜の確認

  3. 月経開始16日目前後から黄体補充開始(ルテウム・デュファストン)

  4. 月経開始21日目前後に凍結胚移植

  5. 月経開始28日目前後に妊娠判定(血液検査)

顕微授精(ICSI)の様子

当院での顕微授精(ICSI)の様子です。

微細な振動(ピエゾパルス)を用いて、卵子の形態が変形しないように透明帯に穴を開け、卵細胞質を吸引することなくピエゾパルスで破り、卵細胞質内に精子を注入します。(PiezoICSI)

卵子に与えるストレスが、従来の方法より小さいという利点があります。

採卵室(手術室の一角)

採卵室・胚培養室は手術室の一角にあります。

こちらで採卵および胚移植を行ってます。

採卵時の麻酔で重篤なアレルギー症状が出現した場合でも迅速な対応が取れる設備とスタッフが揃っています。

培養室は採卵室と接続してますので、卵子や受精卵の移動は最小限に抑えられます。
培養室の様子

排卵誘発・採卵の合併症への対応

排卵誘発には、卵巣過剰刺激症候群という合併症が高頻度に出現します。

可能性が高い方にはバイアスピリン・カバサール・フェマーラ等の治療薬を処方しております。

重篤な症状が予想される場合は、排卵誘発や採卵を中止する場合もあります。

採卵後は、時間を空けて超音波で腹腔内の確認をしてから帰宅して頂きます。

後日、卵巣過剰刺激症候群・腹腔内感染・卵巣出血 等の合併症が出現する場合もあります。

排卵後・人工授精後・採卵後に腹部膨満・下腹部痛・呼吸苦・乏尿・発熱等の症状が著しい患者様は、ご連絡ください。

24時間365日、救急対応しております。

流産(習慣性流産も含む)に対する対応

妊娠後、不幸にも流産される場合があります。

20代前半では10%ぐらいの確率ですが、40代前半では30%ぐらいの確率になります。

多くの場合は受精卵の偶発的な染色体異常が原因ですが、体質的な問題があり流産を繰り返す(習慣性流産)患者様もいらっしゃいます。

当院では、流産組織染色体検査(POC)や血液検査・夫婦染色体検査を行うことが可能です。

流産した原因を精査することにより、習慣性流産の有無や不妊症の原因が分かる場合もあり、次の治療に大いに貢献する場合もあります。

妊娠してからのスケジュール

当院は不妊治療から妊婦健診~出産まで切れ目なく対応できます。

妊娠してからのトラブル(切迫流産・妊娠悪阻・切迫早産 等)や糖尿病をはじめとする内科的合併症、習慣性流産に対する治療に、時間外や入院を含めた対応ができるのは総合病院としての強みです。

以下が妊娠初期のスケジュールになります。

・妊娠5週:胎嚢の確認

・妊娠6-7週:胎児心拍の確認 妊娠届出書の交付

・妊娠8-10週:妊娠初期検査の施行・分娩予定日の決定

・次回妊婦健診の予約

ここで不妊治療は終了しますが、習慣性流産の患者様の治療は出産間近まで続く場合もあります。

(最終月経初日を0週0日、性交渉日・人工授精施行日を2週0日、胚盤胞移植日を3週5日として計算)

個人情報の取扱いについて

 体外受精・顕微授精の実施に関しては、治療経過に関する情報を匿名性を保った上で、日本産科婦人科学会に報告する義務がございます。
 また、その際に、患者様ご本人あるいは分娩取り扱い施設様から分娩のご報告をお願いする場合があります。成績の発表や学会への報告の際には、個人情報は保護されますのでご安心ください。

コウノトリ外来受診ご希望の患者様へのお願い

カウンセリング
不妊カウンセリング
 初診の患者様は、火曜・木曜日午後の不妊カウンセリング外来(完全予約制)を最初に受診されるようお願いしております。
 他院からの紹介状をお持ちの方は、紹介状をご持参ください。
 患者様に必要な検査、不妊治療の流れ、自治体からの助成金、診療費用等についてご説明させて頂きます。
 ご予約は0267-67-2295(病院代表電話)からお願い致します。