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外来通院治療室での治療について
近年、抗がん剤が外来で施行されるようになり、当院でも、2017年3月より、中央棟の新築を契機に、外来通院治療室を開設しました。現在、ベッド2床、リクライニングチェア5床の計7床で予約制となっています。
看護師、薬剤師が常駐して安全・安心な外来化学療法を受けれる体制の管理のほか、副作用等については他職種(保険薬局薬剤師を含め)によるサポートをしています。
安全・安心な外来化学療法を受けていただくために
- 当院では、化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認するために化学療法委員会を開催しています。主に標準治療(科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、多くの患者に行われることが推奨される治療法)を用いています。承認されたレジメンは電子カルテに登録され、オーダーされるため、過誤や過量投与を防止しています。さらに、治療前に薬剤師が処方内容をダブルチェックすることで入念な確認も行っています。
- 治療中は、外来通院治療室の担当看護師が常に患者さんの状態についてモニターし、異常の早期発見に努めています。過敏症や血管外漏出等の急変時への対応に関する指針を作成して、迅速かつ適切に対応をしています。
- 治療後、自宅で何らかの症状があれば、電話相談(外来通院治療室ホットライン)等で対応をしています。気兼ねなくご相談下さい。
緊急時の対応について
- 下記の症状が発現した時は、外来通院治療室に連絡していただくか、受診を検討して下さい。
- 38℃以上の発熱が半日以上続く場合
- 下痢が1日7回以上となり、水分や食事もとれない
- 吐き気が続き、水分や食事がとれない
- 免疫チェックポイント阻害薬を使用しており、冊子に記載のある症状が出て生活に支障をきたす場合
- その他の場合、気になる症状があるとき(出血、息苦しさ、だるさがつらくて動けない等)
- 電話相談【外来通院治療室ホットライン】相談方法:0267-67-2295(代表)→『外来通院治療室』につなぐように伝達して下さい。
- 平日: 8:30~16:00
- 夜間・休日: 救急外来での受診を検討して下さい。
- 外来受診により症状が改善しない場合、緊急で入院できる体制を整備しております。
薬剤師外来について 【がん薬物療法体制充実加算】
必要に応じて薬剤師が服薬状況、副作用や痛み等の情報収集及び評価を行い、医師の診察前に情報提供や処方提案を行っています。また、薬剤師が処方支援等のために医師の診察に同席する取り組みを行っています。
薬薬連携について 【連携充実加算】
保険薬局との連携を行っております(薬薬連携)。抗がん剤の治療のスケジュールや検査値、副作用の状況などを、お薬手帳を活用して、保険薬局へ情報提供をする場合があります。保険薬局と情報共有を行うことで、薬物相互作用や副作用の確認が可能となります。また、患者さんから保険薬局へ相談いただいた内容は、保険薬局から当院薬剤科へ『トレーシングレポート』により情報フィードバックがされるので、早期に副作用の発見や、主治医の次回の診察へ反映することが可能となります。
★保険薬局からのレジメンに関する照会や患者状況に関する相談及び情報提供については以下で対応します。
佐久立国保浅間総合病院(0267-67-2295代表) 医療技術部薬剤科
担当薬剤師 畠山浩明(PHS7705)または油井宏基(PHS7177)
★保険薬局からのトレーシングレポートは以下の書式でFAX(0267-68-6950)送信願います。
栄養相談について 【連携充実加算】
治療によって食欲低下など食事に関するお困り事がございましたら、管理栄養士までお知らせ下さい。
患者さんの身体状況、食事摂取状況などを伺い、医師指示のもと看護師、薬剤師と連携して、管理栄養士による食べ方の工夫や栄養補助食品の紹介、栄養状態を改善するコツなどを提案させていただきます。
治療と仕事の両立支援について
がん患者さんの約3人に1人は、20代から60代の働く世代で罹患されており、仕事を持ちながら通院している方も多く、外来での通院治療が必要な場合も少なくありません。一方で、がんと診断を受けて退職・廃業した人は就労者の19.8%、そのうち、初回治療までに退職・廃業した人は56.8%1) となっており、診断時から治療と仕事の両立についても気軽に相談できる体制づくりが求められています。
医療相談係の相談員(両立支援コーディネーター)が治療と仕事の両立について、患者さんご本人からご相談をお伺いしながら、就労と療養の両立に必要な主治医意見書の作成はじめ、両立のために必要な橋渡し支援を行っております。お気軽にご相談ください。
1) 厚生労働省委託事業「平成30年度患者体験調査報告書」(国立がん研究センターがん対策情報センター)